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【動画】空から見た戦跡「コンクリート船『武智丸』」広島・呉=田辺拓也、上田潤撮影

 広島県呉市安浦町の安浦港。ドローンで上空から見下ろすと、三津口湾に突き出した2隻の船がくっきりと浮かび上がった。

 船の正体は、鋼材不足が深刻化していた太平洋戦争末期に建造されたコンクリート製の貨物船「武智丸」。1944~45年、兵庫県曽根町(現・高砂市)の「武智造船所」で建造された4隻のうちの2隻だ。海軍で瀬戸内海や日本近海で石炭や鋼材などの軍需物資の輸送に使われたという。

 戦後80年、2隻は数奇な運命をたどり、広島県の漁港で防波堤の役割を担っている。

写真・図版
安浦港の防波堤として余生を送る2隻のコンクリート船「武智丸」(下)=2025年6月17日、広島県呉市安浦町、ドローンで上田潤撮影

 そんな「半生」を今年、高校生が映像作品にまとめた。

 「わしは武智丸じゃ」

 老船が一人称で語りかける4…

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